私が実際に、集中治療室で治療を受けた壮絶な経験を包み隠さずに、記載しました。皆様は、集中治療室のことを、TVドラマや映画では見たことがあると思います。
しかしながら、TVドラマの集中治療室のシーンでは、実際のところ、患者さんがどう思っているか全くわかりません。どうしてかというと、TVで出演している患者さんは眠った状態か昏睡状態になっていることが多く、本当の患者さんの気持ちが表現されているドラマが少ないからです。
そこで、この記事は私が実際に手術を受け集中治療室で感じた経験を元にして、なるべく正直にお伝えさせていただきました。
今から手術を受ける予定の患者さんは、もちろんのこと、将来、集中治療室にお世話になるかもしれないと思ってらっしゃる方、また集中治療室にご興味があるかたは必見です。
目次
集中治療室って、実際にはどんな所ですか?
私が入った集中治療室は、凄腕のスタッフの集まりでした。なぜかというと、集中治療室のスタッフは、救急者で運ばれてきた患者や、私のように生死をかけた大手術をうけた患者など、緊急性が非常に高い治療に毎日携わっている為、そのような患者になれています。私の場合も、私が危機的状況になっても、落ち着いて対処してくださり、無事に回復することが出来ました。
さて、話を戻します。集中治療室(しゅうちゅうちりょうしつ)とは、近年、ICUという表現が一般的になりつつあります。それは、英語では Intensive Care Unit と呼ばれ、その略語としてICU(アイシーユー)と呼ばれています。
また、集中治療室とは、きわめて重症の患者の管理を専門的に行う病棟のことです。一般病棟よりも多くの看護師を配置し、高度な医療機器を用いた呼吸循環管理を行い、患者を24時間体制で看視することが出来る病棟のことです。
集中治療室に入ると、患者はいったいどんな心境になるの?
私の集中治療室での心境は、“よかった、生きている!”という喜びの気持ちと、“これから私はいったいどうなってしまうのだろう?”という不安な気持ちがとが、入り交じった複雑な心境でした。
呼吸が止まるとVIP待遇になるって本当?
はい!本当です。呼吸がとまると、その病院で超VIP待遇になります。普段なら長い順番をついて、レントゲンやCT写真予約を取らなければいけません。入院患者ですら、CT予約をしてからようやく順番がまわってきます。
しかしながら、呼吸停止状態などの緊急状態になると、稼働式のレントゲンが私の病室まできてくれます。それは他では経験出来ないほどの超VIP待遇になります。いろいろな先生も走って駆けつけてくれます。いつも以上に手厚い看護にもなります。まさに至れり尽くせりの超VIP待遇になります。しかし、私は2度とそのようなVIPな経験はしたくありません。
呼吸停止になっても、周りの人の声が聞こえるって本当?
呼吸停止になっても、周りの人の声は、ハッキリ聞こえます。私が呼吸停止になった時のお話をさせていただきます。呼吸が停止になる過程は、長くなるので、後ほどの記事で、じっくりご紹介させていただくことにします。
私の呼吸が一時的に停止になったのは、手術が終わってからしばらく日数が過ぎた日のことです。ある日、私は呼吸する元気すらなくなりました。
その日、私は巡回に来て下さった看護師さんの質問にも答えることが出来ず、呼吸は止まり、とうとう一瞬ですが、脈まで、なくなってしまいました。その直後、私の意識はもうろうとしていました。
しかし、不思議なことに、頭の中にはその時の様子が、まるで録音機で録音していたように、くっきりと私の記憶にインプットされています。今でも、まるで昨日のことのようにハッキリと覚えています。
ですから、呼吸や脈拍が停止状態になったからとはいえ、すぐに死を迎えるわけではありません。例え心肺停止になっても、先程まで、機能していた、鼓膜の細胞がまだ生きて働いています。それを記憶する脳はまだ、頑張っています。呼吸が停止しても、思考能力が低下して、呼吸が出来なくなっているだけなのです。私は、本当に聞こえていました。このように周りの様子の記憶が残っているっていうこともあります。
これを読んで下さっている皆様は、万が一、そのような状況になりましても、けして諦めないで下さい。また、もしそのようなに場面に、偶然、遭遇することがありましたら、そのお方の名前を呼び続けてあげてください。まだ、聞こえています。私のように地獄の底から復活する術を身につけて帰ってくる人もいます。
まとめ
集中治療室(ICU)とは、きわめて重症の患者の管理を専門的に行う病棟のことです。凄腕の医療スタッフの集まり。
集中治療室では、手術が成功したという喜びの気持ちと、将来の不安な気持ちが交差する。
緊急状態になると、他では経験出来ないほどの超VIP待遇になる
集中治療室で、たとえ呼吸停止状態になっても、諦めてはだめ。
先程まで、機能していた鼓膜や脳細胞は、まだまだ、生きて働いています!